3457137 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

三人寄れば文殊の知恵

三人寄れば文殊の知恵

内定取り消し、100万円で足りないの?

内定取り消し、100万円で足りないの?

このところ、景気悪化に伴い、雇用問題が表面化しています。
派遣労働者・機関従業員など非正規雇用者が解雇され
企業による内定取り消しが増えているようです。

~~~~~以下引用~~~~~

内定取り消し学生に100万円を提示

マンション分譲大手「日本綜合地所」は、内定を取り消した
学生53に対して、1人あたり100万円を支払うことを決めた。
内定を取り消された学生は「両親の気持ちを、期待を裏切ると
言ったら変ですけど、迷惑をかけちゃったなというのが第一で。
両親も心配しています」と話した。

日本綜合地所の内定取り消し問題で、日本綜合地所は、
学生の内定を取り消す代わりに、1人あたり100万円を
支払うという判断を下した。

会社側が、11月17日に内定を取り消した53人に対して
現在示しているのは、1人につき100万円で、
合計5,300万円の支払いとなる。

この問題で、9日午後、非公開で団体交渉が行われた。
内定を取り消された学生は「納得のいく答えは、
まったく返ってこなかったというのが現実でした。
(一番納得いかなかったのは?)100万円の金額の中に、
学費は含まれているけれど、生活費の方は
保証しないという発言があったので、そちらには
心底がっかりしました」、

「社長直々に、実権のある人が謝罪するのが...。
常識に欠けているなと。とても残念に思いました」
などと話した。     FNN(12/09 18:14)

団交に臨んだのは男子学生3人。同労組や学生らによると、
出席した総務部長ら4人が冒頭に謝罪。
「留年して再度就職活動をせざるを得ない学生もいる」
として、補償金の額をこれまで示していた42万円から
100万円に増額する提案をした。

だが、留年した場合の学費や生活費、資格取得のための
教材費や交通費、精神的な苦痛に対する慰謝料などを
考えると「とても納得できない」として学生らは拒否。

同社が「生活費については補償の必要はない」という
認識を示したこともあり、話は最後まで平行線を
たどったという。

再び就職活動を始めているという学生らは
「全く誠意が感じられずがっかりした」
として不信感を募らせた。 

2008年12月10日0時37分 朝日コム

~~~~~以上引用~~~~~

学生の気持はわかるのですが、率直な感想を述べると、

「内定取り消し、100万円で足りないの?」

という気がします。

100万と言ったら、結構まとまったお金です。

内定取り消しを行うということは、会社側の業績も
悪化しているということで、新たな雇用ができない状況に
あるだろうとは思います。

「ない袖は振れない」
「人生万事塞翁が馬」

人生が終わるわけでなし、いい会社に入ったからと言って
将来が保証されているわけではなし。

不運だったと諦めて別の道を探したほうが
いいように思われます。

また、採用を決めたとはいえ、まだ、何の仕事もしていない
学生に100万円払うのは、会社としてはかなりの決断の
ようにも思えます。

もし、私がこの会社の従業員で給料が減らされる状況にあったら

「学生に払う金があるなんなら、こっちへ回してくれ」

と言いたいところです。

>留年した場合の学費や生活費、資格取得のための教材費や
交通費、精神的な苦痛に対する慰謝料

こちらこそ常識に欠けているんではないですか?

途中で契約を打ち切られた、期間労働者にしても、
100万円もらえるなら、契約解除でも仕方ない
という人は少なくないと思われます。

どうしてもこの会社に採用してもらいたいというのなら、

「最初の契約は白紙にして、業績が改善するまでは、
時間給ででも採用してもらう、その上で、会社が新規採用を
行うならば、最初に契約してもらう。」

というような交渉をすれば現実にできるかどうかともかく
無理がないのでは?

ただ、雇用問題には日本の企業・労働者双方の考え方に
問題があるように思われます。

かつては、日本の企業は永年勤続が普通で、
社員に対しても家族のように扱いました。

それゆえ、社員に対しても首を切らず、苦しい時は
皆で乗り切っていたはずでした。

現在のように、有能ならたくさん給料をもらえる、
システムではなく年功序列で皆それなりに
しかもらえません。

また、経営者も効率が悪いのでそれほどもうかるシステム
ではないでしょう。

しかし、大きなメリットがありました。

それは、各社員の経験を蓄積でき、会社のために
有効に活用できたことです。

しかし、今はどうでしょう?

社員は給料をたくさんもらえ、望む仕事を
させてくれる会社に移ります。

会社もそれなりの能力の人間をそれなりの給与で
採用すればよいと思っているようです。

労働市場は流動化し、会社は社員の流失を
社員は首を考えなければいけません。

それゆえ、会社も社員も自らの利益のみ考え
権利を主張し、義務はできるだけ果たさないで
と考えているようです。

会社自体はこれでも機能します。
でも幸福でしょうか?

そんなことを考えてしまいました。

最終更新日 2008年12月11日


© Rakuten Group, Inc.